放射線療法①

●放射線療法とは?

放射線治療は、ガンの病巣に放射線(高エネルギーのX線)を照射する方法です。これは、がんを縮小(がん細胞を殺す)させたり、がん細胞の増殖を遅らせたり、手術後に取り残されたがん細胞を殺したり、痛みを緩和するなどの目的で行うものです。通常は体の外から放射線を照射しますが、手術中に病巣に直接、放射線を照射することもあります。また、がんの周囲をも含めて腹部に照射することもあります。すい臓がんでは、病巣への直接照射が効果があるとされています。さらに、イリジウムなどの放射性物質を細いプラスチックのチューブに入れ、がんの中に埋め込む方法も試みられることがあります。

●放射線治療で使われる放射線の種類

放射線とは、空間や物質中を波のかたちや粒子でエネルギーを伝播するものを総称する言葉です。
放射線は大きく分けて、電磁波と粒子線の2種類に分けられます。電磁波には、X線、γ線(ガンマ線)などが含まれます。粒子線は、原子を構成する粒子(電子、陽子、中性子など)がいろいろな速度で飛んでくるものです。がんの治療に使われている放射線は、X線、γ線、電子線が主で、その他陽子線、重粒子線が研究段階で使われています。

●放射線がガンを殺すことができるその理由

放射線は、細胞のDNAに直接作用して細胞が分裂して数を増加させる能力をなくしたり、細胞が自ら死んでいく過程であるアポトーシスという現象を増強したりして細胞を死に至らしめます。放射線はがん細胞だけでなく正常細胞にも同じ作用をしますが、正常細胞はがん細胞よりは障害の程度が軽く、放射線照射前の状態に回復することがほとんどです。


●現在、放射線治療が担っている役割

以前まで、日本では放射線治療の対象となる患者さんは手術ができないほど進行した方がほとんどの割合を占めていました。なので、一般の人は「どうしようもなくなってから気休めにやる治療なんだろう」とか「一時しのぎの治療にすぎないんだ」などといった認識をしている人が現在も多いです。実際には、放射線は、ガンを殺して治すことを目的としての治療にも力を発揮しますし、症状を和らげるための治療もこなせる、幅広い役割を担うことができる優秀な治療方法なのです。



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